平成23年特別試験問題 午前Ⅰ 問30

偽装請負となるものはどれか。

  • 請負契約の要員が業務で使用するコンピュータや開発ツールなどは請負業者側で調達し管理する。
  • 請負契約の要員が発注先の事務所で業務を行う場合の規律,服装などの管理は,請負業者側で行う。
  • 請負契約の要員と発注者の社員が混在しているチームで,発注者側の責任者が業務の割振り,指示を行う。
  • 請負契約の要員の時間外労働,休日労働は,業務の進捗状況などを見て請負業者の責任者が決める。
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分野 :ストラテジ系
中分類:法務
小分類:労働関連・取引関連法規
解説
請負契約は、請負人がある仕事を完成することを約束し、発注者がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを内容とする契約であり、請負元が自社の社員に対して、請負事業の指揮命令をするものです。

請負事業となるためには、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」に基づく以下の基準をすべて満たさなければならないとされています。
  1. 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。
  2. 労働者の業務の遂行に関する評価等に係る、指示その他の管理を自ら行うこと。
  3. 労働者の始業、終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示その他の管理を自ら行うこと。
  4. 労働者の労働時間を延長する場合又は労働者に休日労働させる場合における指示その他の管理を自ら行うこと。
  5. 労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。
  6. 労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。
  7. 業務の処理に要する資金につき、すべて自らの責任の下に調達し、かつ支弁すること。
  8. 業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての責任を負うこと。
  9. 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。
  10. 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること。
請負契約としながらも上記の項目に反する行為を行っている場合に「偽装請負」と呼ばれます。
  • 9.の基準に適合しているので問題ありません。
  • 5.の基準に適合しているので問題ありません。
  • 正しい。1.の基準に反しているため偽装請負と判断されます。
  • 4.の基準に適合しているので問題ありません。

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