平成27年春期試験問題 午前Ⅱ 問10
問10解説へ
EVMを採用しているプロジェクトにおける,ある時点のCPIが1.0を下回っていた場合の対処として,適切なものはどれか。
- 実コストが予算コストを下回っているので,CPIに基づいて完成時総コストを下方修正する。
- 実コストをCPIで割った値を使って,完成時総コストを見積もり,予想値とする。
- 超過コストの原因を明確にし,CPIの改善策に取り組むとともに,CPIの値を監視する。
- プロジェクトの完成時にはCPIが1.0となることを利用して,CPIが1.0となる完成時期を予測し,スケジュールを見直す。
正解 ウ問題へ
分野 :マネジメント系
中分類:プロジェクトマネジメント
小分類:プロジェクトの時間
中分類:プロジェクトマネジメント
小分類:プロジェクトの時間
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解説
CPI(Cost Performance Index,コスト効率指数)は、実コストに対する予算コストの割合を表し、以下の式で求めます。
CPI=EV/AC
CPIは、1.0より大きければ実コストが予算コスト未満、1.0ちょうどで予算通り、1.0より小さければコスト超過を意味します。この設問では「CPIが1.0を下回っていた場合」を想定しているので、問われているのはコスト超過の場面における対処策です。
CPI=EV/AC
CPIは、1.0より大きければ実コストが予算コスト未満、1.0ちょうどで予算通り、1.0より小さければコスト超過を意味します。この設問では「CPIが1.0を下回っていた場合」を想定しているので、問われているのはコスト超過の場面における対処策です。
- 記述とは逆で、実コストが予算コストを上回っています。
- 現在のCPIが続いた場合の完成時総コストを求めるには、まず完成時総予算からEV(完了済の作業に割り当てられていた予算)を減じ、CPIで割ることで残作業のコストを見積ります。そして、その値を実コスト(AC)に加えて算出します。
残作業のコスト見積り=(完成時総予算-EV)÷CPI
完成時総コスト見積り=AC+残作業のコスト見積り=完成時総予算÷CPI
したがって記述は誤りで、正しくは「完成時総予算をCPIで割った値を使って」です。 - 正しい。コスト超過が発生しているので差異分析を実施し原因を明らかにするとともに、改善を行うべきです。
- 完成時にCPIが1.0になるとは決まっていません。完成時に1.0となるのはSPI(Schedule Performance Index,スケジュール効率指数)です。
- 完成時総予算…BAC(Budget at Completion)
- 完成時総コスト見積り…EAC(Estimate At Completion)
- 残作業のコスト見積り…ETC(Estimate To Complete)
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