プロジェクトマネージャ平成25年春期 午前Ⅰ 問29

問29

経営会議で来期の景気動向を議論したところ,景気は悪化する,横ばいである,好転するという三つの意見に完全に分かれてしまった。来期の投資計画について,積極的投資,継続的投資,消極的投資のいずれかに決定しなければならない。表の予想利益については意見が一致した。意思決定に関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 混合戦略に基づく最適意思決定は,積極的投資と消極的投資である。
  • 純粋戦略に基づく最適意思決定は,積極的投資である。
  • マクシマックス原理に基づく最適意思決定は,継続的投資である。
  • マクシミン原理に基づく最適意思決定は,消極的投資である。
  • [出典]
  • 応用情報技術者
    平成25年春期 問75と同題

分類

ストラテジ系 » 企業活動 » 業務分析・データ利活用

正解

解説

ゲーム理論(Game Theory)は、複数の人間による合理的な意思決定の方法を考える理論です。この問題のように将来の起こり得る状態は予想できても、その発生確率が不明である場合の意思決定の判断基準として用いられます。

各用語を確認しておきましょう。
混合戦略
利得を最大化しようとするために、各選択肢をある比率で選ぶ戦略です。ジャンケンでいえばグー・チョキ・パーを組み合わせて使うということになります。
純粋戦略
ある一つの選択肢を確定的に選ぶ戦略です。ジャンケンでいえばグー・チョキ・パーのいずれかを出し続けるということになります。絶対優位・絶対劣位の状況でとられる戦略です。
マクシマックス原理
各戦略を選択した場合に得られる最大利得が最も大きくなる戦略を選ぶ楽観的な考え方です。
マクシミン原理
各戦略を選択した場合に得られる最小利得が最も大きくなる戦略を選ぶ保守的な考え方です。
実はこのうち"混合戦略"と"純粋戦略"については、この問題には適用できません。残った「マクシマックス原理」と「マクシミン原理」については、次のように比較を行います。

[マクシマックス原理]
各戦略を選択した場合に得られる最大利得は、
  • 積極的投資・・・500
  • 継続的投資・・・300
  • 消極的投資・・・400
マクシマックス原理では最大利得が最も大きい"積極的投資"が採用されます。よって「ウ」の記述は誤りであることになります。

[マクシミン原理]
各戦略を選択した場合に得られる最小利得は、
  • 積極的投資・・・50
  • 継続的投資・・・100
  • 消極的投資・・・200
マクシミン原理では最小利得が最も大きい"消極的投資"が採用されます。よって正しい記述は「エ」であることがわかります。
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